着任のご挨拶
平成25年4月に着任しました。第七代目の教授となります。この大阪大学法医学教室は明治時代より大阪府の死因究明を担うとともに、突然死の機序や中毒学、アルコール等濫用薬物学そして医事法学の研究を行って来ました。ここで学んだ先達はわが国の法医学をリードしてきており、今までこの大阪大学以外に、北から札幌医科大学、山形大学、筑波大学、東京大学、慶應義塾大学、東海大学、名古屋市立大学、藤田保健衛生大学、大阪医科大学、大阪市立大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学、兵庫医科大学、徳島大学、愛媛大学、山口大学、大分大学、久留米大学、佐賀大学の法医学教授を輩出しています。この教室を主宰することはわが国の法医学という学問の発展に責任を持つとともに、日本の死因究明制度をより優れたシステムにするための責務を持つということです。そのため、次の5点を打ち出します。
1.死因究明を担う人材の育成
2.未だ明らかではない死体現象のメカニズムの解明
3.機能性疾患の死後診断の開発
4.突然死を始めとした死亡機序の解明とその予防
5.アルコール等濫用薬物の中毒作用機序の解明
今年4月から新たに死因究明二法が施行され、今世紀昏迷を続けてきた診療関連死についても新たな法案が今秋の国会に提出されると聞いております。皆が不安になる、しかし必ず迎える「死」について安心できる社会を目指して行きます。
平成25年5月
松本 博志
大阪に生まれ、阿倍野区で育ち、大阪府立天王寺高等学校に学ぶ
平成 3年 和歌山県立医科大学卒
平成 3年 京都大学大学院医学研究科博士課程入学
平成 6年 京都大学助手(医学部法医学教室)
平成 9年 ハーバード大学医学部客員研究員
平成14年 札幌医科大学教授(医学部法医学講座)
平成25年 大阪大学教授(大学院医学系研究科法医学教室)
専門領域 死因究明学、アルコール医学、虐待学
社会貢献 京都府、北海道、大阪府における刑事訴訟法に則った
司法解剖とその鑑定
厚生労働省補助金事業「診療行為に関連した死亡の調査
分析モデル事業」地域代表・運営WG・企画部会
北海道放送番組審議会委員など